カテゴリー別アーカイブ: 2014

森元総理の失言

 先日、自宅でTVを見ていた時の事でした。番組でフィギュアでの浅田真央さんの演技に対し森元総理が失言したという報道で、その当事者である真央さんが「森さんが後悔しているんじゃないでしょうか」と大人の発言をしたと世間が称賛していた事について森元総理にコメントを求めていた場面が放映されていました。そこで森さんはあの発言に対し「後悔はしていないが真央ちゃんのファンである孫と娘に叱られた」と仰っていました。 
 この問題が報道されたとき、私は直感的にまたマスコミが本筋とは全く違う言葉の一部だけを取り上げて喚き散らしているんだろうと思い、森さんの発言の全文を探してみました。すると内容は次の通りです。
「今朝も真央ちゃんが最後ひっくり返った時は、-中略-見事にひっくり返っちゃいましたね。あの子、大事なときには必ず転ぶんですよね。なんでなんだろうなと。
 僕もソチ行って、開会式の翌日に団体戦がありましてね、あれはね、出なきゃよかったんですよ日本は。-中略- せめて浅田さんが出れば-中略-ひょっとすると3位になれるかもしれないという淡い気持ちでね。-中略-ものすごくかわいそうな話なんですね。団体戦負けるとわかってる、団体戦に何も浅田さんを出して、恥かかせることなかったと思うんですよね。その、転んだということが心にやっぱ残ってますから-後省略-。」
 この文章もかなり省略していますし、この間にも不適切な発言は確かにありましたが、森さんが言いたかったのは真央さんが転んだことよりも、執行部の判断を問題視しているように聞こえます。何度も申し上げますが、森さんは明らかに失言されています。ただ、だからといって他に主張していた大事な事を一切報道せずに、失言だけを槍玉に挙げるイジメのような行為はもう勘弁してください。単に真実のみを「報道」をしてください・・・。

全国トップレベルのクラブ

 先日、運動部が全国トップレベルの学校へお子さんを通わせておられる親御さんと話す機会がありました。私も学生時代には野球をしていまして、それなりに結構厳しい上下関係や運動量をこなしてきたのですが、その親御さんのお話を聞いて全国トップを目指すクラブと、田舎でそれなりにやっているクラブとの比較というにもおこがましいほどの歴然とした差を感じずにはおられませんでした。私が過ごした田舎のクラブでも、それこそ今では体罰だとかイジメだとか言われるような出来事は当たり前のように存在し、それを下級生だった頃は当然のように受け入れ、また自分が上級生になった時には同じような仕打ちを下級生にしていた記憶があります。現在では当時私が受けた、また行ったようなことをすれば、すぐに出場停止だとか謹慎だとかの社会問題になると思っていましたが、その全国トップレベルのクラブでは、当時の私からしても想像をはるかに超える「しごきや規則」が未だに存在し、またその事を親御さんも知っているにも係らず全く問題になっていません。
 この事を誤解を承知で私なりの解釈を申し上げますと、私のような中途半端な志や目標を設定した者が自分の常識を超えた「しごき」に遭ったとき、その環境や組織を非難する思考や行動に出ることでその現実から逃避しようとするのに対し、全国トップを真剣に目指す子供達はこの辛い状況から逃げ出すことより、この試練をやり遂げることのほうが自分にとって遥かにプラスだと心から思っているのでしょう。その為親御さんは、本人が根を上げない限り本当に言葉通り「歯を食いしばって」じっと見守っておられるのだと思います。
 ある世界で頂点の子供を育てるというのは、子供達の高い意志の継続は勿論、親が子供以上に耐え忍ぶ必要があるんだと、心から感じずにおられませんでした・・・。

携帯電話でポップコーン

 先日ある方のSNSにリンクされていた映像を見てこれはかなり危険だなと感じたことがありました。その映像はテーブルに携帯電話の上部を合わせるように十字に配置し、その中心にポップコーンの種を置いた状態で携帯電話に着信させたら、数秒後にポップコーンができる、という映像でした。この映像を見た他の方からの投稿で「こんなすごい電磁波を脳が受けていると思ったら恐ろしすぎる」等という投稿が一杯入っていました。私がこの映像の何が恐ろしいのかと言いますと、ポップコーンの作り方や仕組みが解っていれば、こんな短時間で且つこんな状態でできるわけがない事ぐらいすぐ解ります。しかし知らない方は意図的に捏造されたこの実験映像を見て「危険だ!危険だ!」と声高に叫び、更にその映像をSNSで撒き散らして他の方に影響を与える、という事が恐ろしいと思うのです。確かに携帯電話は他の電子機器と違い直接頭に当てて通話しますので、電磁波の影響を最も受けやすい機器である事は確かです。しかし、どんな意図があるのか知りませんが、こんなフェイクを捏造した人の思い通りに、闇雲に信じて人に伝えるというのはこれだけ情報網が発達した現代では本当に危険なことだと感じずにはいられません。
 これは何も情報源の不明なものだけとは限りません。マスコミの報道は当然の事、政府が推奨している事でさえ真実とはかけ離れた事柄が無数に存在します。我々一般人にはその真偽について「確実に確かめる術」はありません。しかし、情報統制されていないはずの日本に住む我々であれば、様々な方向から意見を述べている書物やインターネットの情報は見る事はできます。そしてその反対意見をもにわかには信じずに、多くの判断材料の中からニュートラルに且つ純粋に物事を捉え、自分なりの結論を導き出すことが最も重要な事だと思います・・・。

ウォルター・ミシェル博士

 
 私は人間の欲望というのは頑張って克服するもの、又しなければいけないものと思っていましたが、それを簡単に実行できるある理論を証明する実験を見つけました。1960年代に行ったウォルター・ミシェル博士の実験です。この実験では4歳児達を部屋に招きマシュマロ1個を前に置きます。条件は「今すぐ食べてもいいが、15分間待てればもう一つマシュマロをあげる。しかし我慢できず食べたい場合はベルを鳴して食べていいが、もう一つは食べられない」と子どもに伝えて部屋を出ます。すると子供たちはマシュマロから目をそらしたり、手をたたいたり、数を数えたりとマシュマロから気をそらそうとしていました。この実験結果から分かったことは「欲望を克服するには、誘惑から気持ちを他に向けることで、誘惑を断ち切ることができる」ということです。要は、人間の欲求は克服されるのではなく、そらされ、忘れ去ることで克服したように見えるということです。なるほどよく昔に大人から「悪いことばっかり考えてないで、運動でもして発散しろ」と言われていたことが納得できます。ちなみにこの実験から12年後、彼らについてのアンケートを行った結果、我慢できずに1分以内にベルを鳴らして、マシュマロを食べた子供達は、学校でも家庭でも行動上の問題を抱えている率が高いことが分かり、15分待てた子どもは30秒しか待てなかった子どもよりも、SAT(大学進学適性試験)のスコアが平均して120点高い結果がでたそうです。要は気持ちのそらし方が上手いか下手かの違いで、誘惑を克服できる人とできない人の違いができるというのです。
 そう考えますと、私が以前から失敗しているダイエットなどは、「辛い思いをして空腹に耐え頑張る」のではなく、それを忘れるくらいの楽しいことを常にして過ごせば、成功率は高くなるということでしょうね・・・。

新年の誓い

 毎年私は、新年を迎えるたびに心新たに誓いを立てるのですが、1月の中ごろには早くも断念している意志の弱い自分がいます。その決意というのは数十年変わっておらずいつも同じで、年によって若干目標値が変わるだけです。そう、その誓いは「ダイエット」です。
 私の学生時代は結構グウタラしていて、夏休みの宿題などいつも最後まで手を付けず、結局新学期に入ってから付け焼刃的に宿題や観察日記などを作成していた記憶がありました。しかし社会人になってからは比較的意志が強いというか、座右の銘にしている「有言実行」を徹底的に遂行するようになってからは周りから「意志が強い」と思われるようになりました。今ではやらなければいけないことは、まず始めに片付けないと気が済まなくなりましたし、自分が発言したことについては必ず実行します。その最たるものが、泥酔状態で発言したことで自分自身が覚えていない事でも、相手方に指摘されれば必ず実行します。そんな私が唯一「有言実行」できないのが前述のダイエットで、一時的に5kg位のダイエットができたとしても必ずリバウンドしています。このことを検証してみますと、私は本来飽き性で根気がなく、どちらかというと意志や根性が弱い人種だったところが、有言実行を徹底したことによって自分自身の変革を成し得、意志の強い人間に生まれ変わったと思っていました。ですが結局のところ短期間の頑張りはできますが、体重コントロールという一生をかけて制限していくような長期の頑張りはできないんだと気づきました。
 結局人間というのは根本からは変えることはできず、変えられるものは表面的なものという事です。しかし裏を返せば、表面的なものは変える事が出来るので、殆どの事柄は自分の心持次第でいくらでも、どのようにでも変えることができる、ということになりますよね・・・。