おせち

 つい先日まで冷房をかけていたと思えば、もう我が家では石油ファンヒーターが活躍しています。考えてみれば早いもので、このコラムが掲載される頃は年明けまで既に2か月を切っています。
 年末といえば、何となく気分的にクリスマスまでは何かしらウキウキした楽しい気分なのですが、それを過ぎた途端に一気に年末モードに入り、いきなり慌ただしい気分になってきます。そして正月に向けての準備に入るのですが、よく思い出してみますと私が子供のころは、母がクリスマスの時期を過ぎた途端におせち料理の準備に入り、私たち5人の子供たちも母の号令の下、木のようになっている棒だらをのこぎりで切ったり、あつあつの餅をこねたりと、よく手伝いをさせられていました。最近はといえば、世の中は変わりまして、一部を作りはしますが、おせちの全てを作る家庭がかなり減ったように思えます。その事を「贅沢になった」といえばある意味そうかもしれませんが、おせちを作るとなると、材料代もばかにならない金額になりますし、何よりも作る手間がかなりかかりますので、その作る手間を金銭に換算したとすれば、かえって今の時代、安上がりになるかも知れず、全てを作るほうが贅沢なのかもしれません。
 当たり前のことですが、そんな効率や、お金のことだけを考えて、全てに効率的に行動すれば良いかと言えば決してそうでありません。ただ、それを「だから今の若い奴はダメなんだ」というような事を頭ごなしに言うのは、私個人の意見としては決して良いことだとは思えません。時代とともに考え方や、生活様式が変わるのは仕方のないことですし、逆にずっと同じであることが決して正解ではないと思うのです。
 しかし、変わってはならないかけがえのないものについては、何としても守る必要があると思います・・・。