適正価格

 つい最近、ユニクロで特価で販売されていた服を買いに行きました。その製品はしっかりとした製品であるにも拘らず、1本1290円と格安で販売されていました。更にその以前に志摩市の衣料品店で購入したハーフパンツは、全く無名のメーカーでしたが、生地や縫製がしっかりとしていて、裏地も柄物の生地が特別に縫い付けてあるにもかかわらず、690円という破格の値札がついていましたので、つい購入してしまいました。
 以前であれば特価や極端に安いものは「安かろう、悪かろう」という図式が成り立つような製品が殆どでしたが、消費者も賢くなり「より安く、より良いもの」を求めるようになりました。そうなりますと供給側は「今までの仕組み」の中で無駄を省き、より安い製品を供給し始めます。しかし消費者はいつしかその基準が当然となり、もっと安いものを求めるようになります。すると供給側は今までの仕組では自分達の収益が確保できないので「新たな仕組み」を構築してコストを省き、消費者のニーズに応えようとします。ここ数年前までは、先述のような正常な社会競争を経て実質的に物価が下がってきました。
 しかし、最近は収益を確保する為に、絶対に欠かしてはならない飲食物でさえ「安全性」を確保する為のプロセスを削り収益を確保してきたために、食中毒事件などが多発しています。安全性でいえば、もしかすると格安航空会社では整備不良の為に将来的に大事故が発生するかもしれません。それらが発生した時、それは供給側が安全性を確保するというプロセスや使命感を欠いたからからだと一方的に非難していいのでしょうか?私は何もかもに過剰に価格の低下を求める消費者にもその責任は十分にあると思います。
 安全性が必要なものに「適正価格」を支出する事は、自己防衛の為にも絶対的に必要な認識だと思います・・・。