裁判員裁判

 裁判員制度が2009年5月に施行されてから1年が経過した2010年5月までに、既に約600件の裁判員裁判が実施されたようです。その、約600件の裁判中、有罪が約580件と圧倒的多数で無罪が0件、その他20件という結果でした。その中でもし自分が裁判員の候補に挙がった場合、例えば重要なプロジェクト中や、時期的にどうしても参加できない場合や、家族の介護、自らの疾病などによって参加できない場合、皆どうしているのか調べましたら、なんと裁判員の候補に挙がった約半数の方が、何らかの事由で辞退されていました。施行前の説明では相当の理由が無い限り辞退できないと言っていたので、ある意味裁判所の柔軟な対応に驚きでした。
 そんな中先日、裁判員裁判で初めて有名人の裁判が行われました。その「有名人」という一種の特殊な環境にいる人の裁判というのは、特に注意しなければいけないとマスコミは叫んでいます。それは裁判員がその有名人のファンであれば、正確な判断ができないというのです。確かに熱狂的なファンであれば正確な判断からはかけ離れるでしょうから、周りから見てそう判断される人は除外すべきだと思います。しかしそのラインをどこで引くのかが難しいところで、例えファンだったとしても殆どの方は、そんなに熱狂的なファンではないので、周辺調査しても白か黒かという判断はできないでしょうし、天涯孤独な方ならば周辺調査すら無駄なことです。よく考えてみれば一般人でも被告が非常に良い印象を裁判員に与える人は、非常に悪い印象を与える人より有利に働くように思えますので、極端なケース以外は結局あまり気にすることもないのかもしれません。
 そう考えますと、有名人は普段から好感度の人は別として、印象の悪い人は今から好感度を上げないと不利です、って別に犯罪を犯さなければいいんですけどね・・・。