過払い利息の返還請求

 今年6月に、改正貸金業法が施行されてから数カ月経ち、大手消費者金融の破綻などがありましたが、幸いにも私の周りには心配されていた資金繰りの悪化による個人の破綻や零細企業の破綻などは今のところありません。確かに年収に対する借入額の制限やグレーゾーンであった上限金利の引き下げなど、現在も社会問題になっている多重債務者の発生を抑えるためには重要な施策だと言えます。ただ、何事でもそうですが、一つの問題を解決するために何かを規制した場合、想定していなかった新たな問題点や、その規制をかいくぐるやり方などが発生し、規制した前よりも規制後の方が悪くなった事例もあります。それは本来、こういった自己責任の範疇で行うべき事柄を、国として制限しなければいけない状況になること自体が不自然なのであり、それを規制しようとするから別の問題が発生するのだと思います。
 最近もう一つ気になっていることで、「過払い利息の返還請求」というのがあります。これは最近、TVや新聞、電車の中吊り広告などで「支払いすぎた金利を取り戻しましょう」と弁護士事務所などが大々的に宣伝をしています。これは一見すると、法曹界の人々が社会的弱者である消費者を悪徳金融業者から救ってあげましょう、的な構図に見えますが、果たして本当にそうなのか私は疑問です。ここからは完全に私見ですが、確かに悪徳金融業者に騙された場合など、救済の理由がある人は別です。しかし、あくまで自分自身が納得の上で借入をして目的を果たし、そして既に完済している人にまで払い戻しをする理由がどこにあるのでしょうか?実際にこの制度の適用の多さが最大手消費者金融会社が破綻した一つの大きな要因にもなりました。
 最近の世の中は、消費者が不必要なところまで守られすぎのような気がしないでもありませんね・・・。