過当競争

 先日携帯電話を新しく購入しようと思い、比較検討するためいろんな会社のショップへ行き説明を聞きました。どこの会社も以前に比べれば、かなり機種本体の価格が高くなりましたが、毎月の支払額がかなり低くなりましたので、結局のところ得なのか損なのか、全く分かりませんでした。また、各社の機種自体の価格は同じようでしたが、料金プランについては一社だけでも沢山設定されているので、それを比較するだけでも大変な作業ですが、幅を広げて各社で比較するなんて芸当は、それを専門に研究している人でない限り無理そうです。
  同じように先日、クレジットカードを作ろうと思い、ネットでいろいろと調べてみました。すると、年会費無料のものから数万円のもの、また会員カードを兼ねた比較的簡単に手に入りそうなものから、審査が厳しそうでステータス性を感じるものまで色々な種類のカードがあり、正直言ってどれにしたらいいか迷うというのを通り越して、選ぶ気が失せてしまうほどでした。
 多分昔は何のことにせよ、これほどまで複雑な選択肢がなかったので、簡単に損得や個人の嗜好で決めればそんなに迷うこともなく決められたのでしょうが、今の時代はとても選択肢が広がりました。それは企業が今まで以上にコスト削減や売上増加のための企業努力を行い生き残りをかけた競争をしているからです。一見すると良い方向に向かっているだけに見えますが、最近の競争は適正な利益の確保が不可能な競争となってきている傾向があります。その結末がどうなるのかは明らかで、資本の潤沢な企業がその体力の続く限り生き残り、ライバルがなくなった時点で、自らの思い通りに操作していくでしょう。
 ですから消費者である我々は、結果的に自らを守るためにも、過度な低価格や過度なサービスを求めないよう自覚していかなければならないでしょう・・・。