病は気から

 「今のお前らにこんなこと言うてもわからんやろうが、俺みたいな年齢になったらようやく、「ああ、あの先生が言うてた事はこういうことやったんや」って分かると思うが、お前らのように強制的に体を動かせる体育の授業があるって言う事は、どれだけすばらしい事ってことがわかるか。」と高校時代の技術家庭の先生が仰っていました。また、学生時代によく校長先生やPTA会長などが全校生徒を前にして「全てのものに対し感謝の気持ちを忘れないように」というような言葉をよく言っておられましたが、その時は「何言うてんねん。訳の分からん。」という風に全く感じられなかったのですが、最近年を取ってきまして、ようやくこれらの言葉が理解できるようになって来ました。
 大人たちが子供に向って、こういった大切な事をどれだけ言った所で、子供たち自身が自ら感じる事ができなければ、その時点では全く意味の無いもののように思えます。ただ、その言葉が心にさえ残っていれば、それがわかる時になれば、ようやく意味を成しますので、技術家庭の先生ではないですが、今意味が分からなくても、後で解るようになるから忘れないように、と子供たちに教えてあげる事が重要であるように思えます。
 そんな言葉の中に「健全な精神は健全な肉体に宿る」というものありました。この言葉は、健全な肉体を造れば精神も健全でいられるので、しっかりと鍛錬しなさい、という意味だと私は理解しています。しかし最近私が実感として感じることは逆に、健全な精神を持てば、健全な肉体が造れる、のではないかということです。「病は気から」というように心が病めば、体は病みます。以前私は病気というのは体の不調であって、心とは関係ないように思っていましたが、最近こう確信しています。心を直せば大体の病気は治るはずであると・・・。