12人の冤罪

 先日、公職選挙法違反に問われ、冤罪を主張していた12名の判決が出ました。この事件は皆さんもよくご存知だとは思いますが整理しますと、4年前の鹿児島県議選で公職選挙法違反に問われた元中山県議が検挙され、その買収に係わったとされる12名も起訴され、取調べに対して自白によって5名は罪を認め、7名は無罪を主張したのですが、その後、自白した5名のうち不起訴処分になった男性は暴力的に自白を迫った警察の取調べの違法性が認められ、地裁は県に対し60万円の支払いを命じ、またその他の4名についても自白を強要されたと、警察の取調べの違法性を主張していた事件でした。
 以前からこのような警察の行き過ぎた取調べによって、冤罪を勝ち取る事件が何度か見受けられましたが、その度に色々と考えさせられるものです。私たち日本国民は、かつて世界最高の犯罪検挙率(2003年度は23.2%と現在は非常に低くなっていますが)を誇っていた日本国の警察に対し、平和で住みやすい環境を保ってくれていることに絶対的な信頼を置いていましたが、このように何も悪い事をしていない者が、ある日突然に身に覚えの無い容疑をかけられた挙句、暴力的に虚偽の自白をさせられ、犯罪者として拘置されるという、映画のストーリーのような現実離れした出来事が現実に起きている事に驚きを隠せません。
 確かに、本当に犯罪を犯した人に対し自白を取り付けることは、どれだけ大変な事か素人の私には計り知れませんが、普通に考えれば、ある程度心理的なプレッシャーなどを与えなければ、自白なんて取れないだろうと容易に想像できます。が、ここで敢えて言わせてもらうとするならば、このようなことを無くす為にも警察内部の昇進や表彰などに、犯罪の検挙件数や検挙率を基準にするのを止めてもらいたいと心から強く願います・・・。