特権階級

 最近は年金問題や、議員の金銭の不正使用問題、役所職員の横領事件など毎日のように新しい問題が出てきています。最初は「何やっとんねん!」と怒りが込み上げることが多かったのですが、ここまで次々と毎日出てきましたら、いけないことでしょうが「またか」となって怒りどころか興味自体が出なくなってきました。
 よく考えますと、一般の会社組織でこんなことが次々と出てくれば、話は全く異なります。まずマスコミに叩かれ、検察が動き、消費者からの信用をなくして、挙句に会社自体の存続が困難な状態になります。そうなりますと会社を潰すか、運がよければどこかの資本に救援してもらい、世間に再生を誓うということになってしまいますが、これが政治の世界ですと、よほどの個人的過失がない限り議員の先生方は役職を失ったり表舞台に出なくなるだけで、議員を辞めることはあまりありません。しかも、刑事事件で実刑が下され、辞職したにもかかわらず再度出馬し、再び議員になるという一般社会では到底考えられない図式が成り立ちます。
 ですから、こう書きますとかなり乱暴な言い方になってしまいますが、それほどの世界で今起こっている不祥事というのは、自分たちにとっては何とでもない事ではあるが、うるさい奴らがゴチャゴチャ言うので、仕方なく「今の“チャンス”に出せるだけ出して、全部うやむやにしたれ」と意図的に行っているようにしか私には見えなくなってきました。
 そんな事を考えますと、年金や税金などは国民の義務として当たり前に徴収されるべきものと頭の中では分かってはいても、これだけ不明瞭に使用していたり、横領されていたりすると、いい加減払うのが馬鹿らしくなってきます。しかし日本には「特権階級」が存在しないという事を信じてもう少し義務を果たしましょうか・・・。