プロジェクトX

 私は、学生の頃に殆ど勉強というものをしたという自覚がなく、また自らすすんで読書というものをした記憶がありませんでした。しかし社会に出てからは必要とされた宅建を取る為に、19歳から一生懸命に勉強をしましたし、読書については先輩に勧められる本を徐々に読み初めてからは、少し時間が取れそうだと感じたら本屋に立ち寄り、面白そうな本を物色するのが楽しみになってきました。そうしますと20歳前には2.0あった視力が、今では0.1以下となりまして、学生時代にいかに勉強や読書をしていなかったかということを証明してしまいました。
 そんなある日、時間が出来そうだったので本屋に立ち寄り、そこで面白そうな本を数冊購入しました。その中で一番興味を引いた本が、かつてNHKで放送されていた「プロジェクトX」を本にした物で、内容的にはそこに出演された方や、その主人公の方の言葉を抜粋したものでした。正直その本を購入した時点でどのような感じの本なのか、内容がどんな物なのかはある程度予想できてはいましたが、その予想通りの展開でも読み進める内にどんどん入り込んでしまい、しかし入り込んでいけばいくほど、この本が終わるのが非常に勿体無い気がして、1章が終わったら早く次の章が読みたい気持ちを抑えて本から目を離してゆっくり余韻に浸り、考える事や決意などをメモしたりして次の章へ進みました。歳を取ると涙もろくなるといいますが、この本を電車に乗って読んでいる時でもそんなことはお構いなしに感動の涙が溢れ、一人で天井を仰いでいました。
 このような感じの本を読んでいていつも、「本当に凄い人」というのは存在するんだなという事を思い知らされます。そしてその凄い人たちの共通点は「すごく高い所に目標があり、それに向って突き進む仲間がいる」という事です。その目標が達成されないでいる目標であるうちは、周囲からは奇異の目で見られたり、無謀な事を言っているだけのようなことを言われたりします。しかし自身は達成する事を当然のように信じ、それを周囲の人にも理解を得、そしてそれに向って皆で突き進んでいくという「信念と仲間」の存在があるからこそ成し得る偉業であると思います。目標を達成するという強い信念がなかったら、そして一緒にやってくれる仲間がいなかったら、そういった結果は出なかったことでしょう。
 そういった事柄を含め、本という存在がなかったら知り得なかった情報というのは数知れません。しかし読書と言うのは自分に合わない本もあり全てを吸収する必要は無いと思いますが、取捨選択して合うものを吸収して自身を高めていけるとてもよいアイテムだと思います・・・。