エレベーター15,000円

 最近「いざなぎ景気」を超える好景気が続いていると政府は発表していますが、私だけなのかは分かりませんがその恩恵を被る事や、その気配を感じる事は全くありません。一生懸命に働いても働いても、収入が増える訳でもなしに、それでいて税金や社会保険料等の控除額は減るどころか、新しい制度ができたりして実質的には増えている感がします。こんな事を私が言いますと周りの人たちは「あんたは社長やからそんなん関係ないやん」とよく言われますが、それは合っているようで、間違っています。
 そもそも株式会社というのは、株式を発行して株主を募り、その出資金によって会社を設立し、運営は株主から選ばれたものが行い、将来的には「上場を目的」とするというものです。それが現在では大企業やその関連企業でない限り、第三者から出資してもらえるような事はほとんどありませんので、実質的には社長や社長一族が出資者になるために、株主と役員がほぼ同一の人物となってしまい、役員自体も会社を私物化していくケースが多い為に、多くの方の誤解を生じさせている事になっています。
 それを整理して考えますと、例えば株主=社長である場合、社長としての立場は株主から依頼され会社を運営する一種の「サラリーマン」です。その為、社会保険や住民税、所得税などを給与から源泉されますので、従業員と全く同等です。また株主としての立場では、決算時に会社が利益をあげている場合は、その利益に応じて株主配当が支払われるのですが、零細企業ではかなり多くの利益を上げない限り、配当する事はないでしょう。また、会社が利益を上げても、その利益に対する税率は約40%もかけられますので、そんなに大きな利益を上げる事もできません。ですから上記のような株主=社長という図式は、一方では給与所得者、一方では株主という二つの立場でいるわけです。
 話は戻りますが、好景気?が続く中で政府では、増税や社会保険制度の見直しが図られ審議されていますが、必要な増税や見直しは当然に必要なものとしてすべきであるとは思いますが、大きい事では年金基金の無駄を非常識に通り越した浪費や、小さいことではタウンミーティングで発覚した「エレベーターのボタン押しで15,000円」などの税金や年金の使い道を間違うどころか、意図的に浪費させるような風潮を先に改善しない限り、そんな改正や改革をしてもまた「お金があるから使おう」となるに決まっていますので、誰と誰が付き合っているなどという報道に力を入れずに、その事をメディアがもっと深く掘り下げて訴えて、またもっと時間と労力を割いて、国民の皆が監視する風潮を造って欲しいと願います・・・。