女々しい

 「女々しい」・・・いくじがない。思い切りが悪いなど男としてふさわしくない(大辞泉より)
 「おんな おんな しい」と書いて「めめしい」と読みますが、この言葉を皆さんはどう思われますか?
 日本では女の人は昔から「でしゃばらず、物静かで、清楚で・・・。」と、まるで感情のないロボットのような振る舞いが、良い女性の振る舞いであるというような風潮があったようですが、現実にはどうだったのでしょうか?現存する書物の中ではそのような女性の姿が描かれているものも少なくありませんが、現実がどうであったかを確かめるのは、タイムマシンでもない限り今となっては不可能です。しかし、完全なる男尊女卑の過去の時代では、女性はそういった振る舞いをしなければいけなかったのでしょうし、世間もそれを望んでいたので、女性の方もできるようになりたいと考えていたのでしょう。ですから本質や実際がどうであれ、「いくじがない、思い切りがない」などを表すのに「女々しい」と表現したのでしょう。
 私も37年間生きてきまして、男性の考え方や振る舞い、また女性の考え方や振る舞いなどを観察していますと、確かに一般的に女性は、男性に比べて体力が弱かったり、人当たりが柔らかかったりしますが、いざとなったときの腹のすわり具合や(表面に出さない損得勘定など)、気持ちの転換の早さなどは、男には到底真似できない芸当を簡単にこなします。逆に言うとウジウジしていたり、いくじが無いのが男性で、その「女々しい」という言葉は「男男しい」と書き換えたほうが、本来は合っているのではないかと思うようになってきました。
 ではなぜ「女々しい」というようになったのか考えてみますと、よく「弱い犬ほど良く吠える」といいますが、昔の男性は女性の方が自分たちより強い生き物だということを薄々感じていて、それを覆い隠すかのように「女はこういうものだ」と力だけで押さえつけていたのかもしれません。また、「能ある鷹は爪隠す」ではないですが、勝っている事を感じている女性は、偉そうに叫んでいる男性を温かい目で見守り、敢えて弱者のレッテルを貼らせたかも知れません。
 そういう風に想像を膨らませてしまうと、女性というのはとても強い生き物で、すごく怖い感じがしますが、それは男性より女性のほうが長生きする分、賢い生き物だということなのでしょうか・・・。