80年代バラード集

 深夜TVのチャンネルを変えていますと、TVショッピング専門にやっている番組で数分間とまってしまう事がよくあります。宝石や下着、ダイエット器具に健康食品など多種多様です。
 つい先日までは、日本のTVショッピングの販売は、ほんの1~2分間の商品紹介で何点もの商品を紹介しているというスタイルが主流でしたが、最近のスタイルはアメリカの紹介の仕方によく似てきていまして、何分間も同じ商品を繰り返し紹介するスタイルに変化してきています。
昔からアメリカの販売スタイルは、良く考えられているなと思ってみていましたが、それはさほど欲しいと思っていない物でも繰り返し見ることによって、①その商品の良さが理解できてきて ②その商品に興味がわいてきて ③その商品が欲しくなってくる という絶妙のマインドコントロールができてしまうことでした。
 そんな最近の日本のTVショッピングの中で私は、70年代フォークソング集や80年代バラード集、70~80年代ヒット曲集など何分間も繰り返し紹介されてしまうと、もうそこは本当に向こうの思う壺で、思わずその時代の出来事が走馬灯のように駆け抜け、無意識に電話に手がのびている自分がいたりするのでした。そして年下の知人とそういう通販のCD集を思わず買ってしまうといったような話をしているとき、私は「80年代のバラード集」と言ったにもかかわらず、彼は「その懐メロのCD集、貨してくださいよ。」と言われ、なるほど10歳も離れると、その頃の歌はもう懐メロになるんだなと自分の年齢を再確認させられました。
 私は学生時代には毎日のように音楽を聴いていましたが、社会人になってからは、車での移動中にたまに聴くくらいで、あまり普段は音楽を聴かなくなりました。ですからたまに聴くと新鮮な気持ちで聴けるのですが、同じ歌でも車の中で聴くのと、飲みに行った居酒屋などで聴くのとでは全然感じが違う事に気づきました。車の中では単純に「懐かしい曲やな」とか「やっぱりエエ曲やな」という程度ですが、居酒屋などでは心の奥の方から「えぇ~曲やなァ~」とか「なぁっつかしぃ曲やなぁ~」とすごい感動があります。
 何故なのでしょう。やはり単純に体内にアルコールが入っているか、入っていないかの違いでしょうか?それとも聴いている環境の違いからでしょうか?いやその両方ともが関係しているからでしょうか?でも間違いなく言えるのは、確実に年齢を重ねてきているがゆえに、ということでしょう・・・。