たばこ

 「ちょっとちょっと、聞いてよ。今日、電車降りて歩いていたら、前で歩いてる人が煙草に火をつけて吸い出したのよ。そしたら煙がボワーっと私のところに来て避けきれんかったわ。私タバコだめじゃない。だから急いでその人の前に出るように走ったけど、ほんまムカついたわぁ。」
 最近、喫煙者のマナーや分煙などについて、いろいろなところでよく聞くようになってきました。確かに人ごみでの喫煙や、密室での喫煙は周りの方の迷惑になるばかりでなく、健康そのものにも悪影響を及ぼしたり、子供の目の位置と持っているタバコの位置は近く、非常に危険なことなどから喫煙者はそのあたりをよく状況判断する必要があります。また、灰皿のない野外や、路上などでの喫煙は、携帯灰皿を所持していなければ吸殻の処理に困り、結果路上に捨ててしまったりしますので、当然のこととは思いますが、そのあたりの喫煙マナーもしっかりと守ってほしいものです。
 そういう私も実は喫煙者で、最近はどこの場所に行っても喫煙が制限されているので、非常に肩身の狭い思いをします。職場でもほぼ禁煙となっていますので、喫煙者のために別途喫煙ブースを設けたり、外へ出て喫煙したりしていますし、公共の場所ではほぼ喫煙できないようになっています。そうなると、ここまで「喫煙者の自由を奪うなよ」と叫びたくなる喫煙者もいらっしゃるとは思いますが、非喫煙者の健康と権利を考えれば当然の処置であると思います。確かに喫煙者の私でさえ、例えば近鉄特急の喫煙車両には煙で目が痛くて乗りたいと思いませんので、非喫煙者の方はなおさらの事でしょう。
 話は変わりますが、数年前の新聞記事でイギリスの役所が喫煙者の労働時間を数十分引いて終了時間をその分延長させるとか、残業時間から棒引くというような措置を取るというものが載っていました。その時点では「何でタバコを吸うだけで労働時間を延長せんとアカンのかな」という疑問が残りましたが、今になってようやく分かりました。その当時の日本で分煙という文化があまりなく、オフィスでタバコを吸いながら仕事をしていたものですが、今は結構分煙が徹底されていて、喫煙するには喫煙ルームへ行くか、外へ出て喫煙することになります。そうなりますと、なるほどその時間は、仕事に従事していないわけですから勤務時間から差し引かれて当然ですし、非喫煙者から見ればそうしてもらわないと不公平に思えます。
 世間の風潮ではないですが、私ももうタバコをやめたいと思い、何度も禁煙を繰り返す意思の弱い自分がいるのでした・・・。