同窓会

 先日不意に、高校の同級生から16年位ぶりに電話が入りました。それは「同窓会をやろう」という内容のものでした。よく考えてみれば、十八歳のときに卒業し、今私達は三十六歳、卒業して十八年目なので、ちょうど今の人生の半分の時期に卒業したことになります。そんな話をしているうちに、私も幹事に加わることになり、早速最新の卒業者名簿を片手に、同級生宅へ連絡を始めました。そのクラスの同窓会は、高校卒業後に二度ほど行っていますが、卒業してすぐの二年間だけのことで、本当に久しぶりに話をしました。
 そんなある日、いつもより少し早く起きた朝に、気になっていた卒業アルバムを本棚から抜き取り、少し眺めていました。少しの時間だけ思い出に浸り、そして本棚へアルバムを戻したその時、その脇にある色あせたワラ半紙の塊が目に飛び込んできました。それは、そのクラスの全員で創った「卒業文集」でした。手に取ってみた、その十八年前のワラ半紙は、今にも破れそうな状況ではありましたが、皆が当時十八年という人生を歩んだ証を思い一杯に書き記してある、もう二度と創れない貴重なワラ半紙でした。
 パラパラと捲っていくと、(とは言っても、やはり一番最初に探すのは自分の書いたページですね。)本当に「青春」という感じがして、自分は年を取ったんだなぁと実感させられました。ちなみに私はこの卒業文集の自称「編集長」をしていたようで、巻末に二ページ分、今読み返すと顔から火が出るような「編集長から一言」という長々とした文章を書いていました。恥ずかしながら、そのごく一部の一文を、そのまま抜粋してみます。
 「・・・・“燃える心”“一生懸命にやる”ということは、何か目標を作れば出来る。せやけどその目標がなかなか見つからへんし、なかなかわからへん。せやけど自分がこれやと思うもん見つけたらいっぺんやってみ。ほんでとことんやって、やっぱり違うと思ったらまた違う目標作ってみ。“燃える心”“一生懸命にやる”を持ったら人間変わるで。見違えるほどイキイキすんで。それが本当の目標やったら苦労も苦にならへんで。皆まだ若いんやからできる。
 「失敗は成功のもと」って言うくらいやから失敗を恐れんとやってみるんや。大学行くヤツは幸せやぞ。四年間あるんや。せやけどボーっとしてたらすぐや、四年間なんか。就職するヤツは仕事に目標作るのもいい。日曜や仕事終わってからでもええ。目標見つけて”燃えろ“。ほんで周りのやつに精神的に差をつけたれ。」お恥ずかしい・・・。