仕事

 本来「仕事」というものは、何かしら労働を行い、その対価として代金や賃金などをいただくと言う行為ですが、その労働時間や、成果が上がれば上がるほど、代金や賃金が上がっていきます。しかし、忙しければ忙しいほど、その労働は「暇よりは全然良い」という感覚にはなりますが、比例して金銭の入りが多くなると言うものでもありません。
 世の中にはいろいろな種類の「仕事」が存在しますが、殆どの業種が先述の「忙しければ、暇よりぜんぜん良い」仕事であるにもかかわらず、その例外の「暇であれば暇なほうが断然良い」業種も存在します。例えば、消防隊員や警察官などの職業です。これらの仕事は私たち国民がより安全な生活をしていく為には絶対に必要な職業ですが、先述のように「暇であれば暇」なほど世間が平和であり、平穏な生活が送れているということだと思います。
 そんな「暇なほうが良い」であろう職業のうち、兵庫県自動車警ら隊が先日、本末転倒の不祥事を起こしました。それは、検挙の件数にノルマを課せ、それを達成させる為に架空の事件をでっち上げ、ノルマを達成させていたと言う不祥事です。これは、極端に言えば例えば消防隊員にすり替えて考えてみると、消防活動の回数にノルマを課せられた消防隊員が、そのノルマを達成できないと判断したときに、自分で火をつけてから消火活動を行うという行為に近いことだと思います。しかし、確かに警ら隊の行った行為は、「火をつけて廻る」ほど世間に迷惑はかけないかもしれませんが、その行為は決して許されるものでないことは明白です。
 では何故、国民誰しもが「そんなことはおかしい」と思うようなことを彼らは日常的にしていたのかと考えてみると、それはおそらくその組織の体制であり、慣れ親しんだ習慣や慣習であるように思われます。そんな習慣や慣習は、それらのほかにも三菱自動車のリコール隠ぺい工作などにもあるように、世間のいろんなところで行われている可能性があります。
 それは組織が大きくなればなるほど、その慣習が長く続いていればいるほど、その過ちを矯正することが困難になってきます。今までは、それらが発覚しづらかったり、発覚しても問題にならないように闇に葬られた時代ではありましたが、これからは当たり前のことが、当たり前に指摘される世の中になってきているようで、ある意味いい時代になってきたということでしょう・・・。