携帯電話

 「明日、会おうか?」「そうしよう。」「どこで何時に待ち合わせする?」「昼過ぎにまた電話するわ。」「その時間は、大阪にいるから電話ちょうだい。」「わかった。じゃーまた明日。」
 こんな会話がごく普通に日々行われています。これは携帯電話の普及により成し得た技の一つであり、ほんの10年前の携帯電話がまだ普及していなかった頃には「道頓堀で5時に待ち合わせやから遅れたらアカンで」という具合に打ち合わせをしっかりとしなければいけない状態でした。その為、相手が遅刻しようものなら先に到着した人はその場所を動けず、来るのをずっと待ってなければいけなかったのが、今は携帯電話があることにより、遅刻の連絡はもとより、待ち合わせ場所の決定はその時点でできるようになりました。そう考えると時間の有効利用や便利になった反面、待ち合わせ時間や約束事を守るという意識が低くなってきているように思えます。
 現在の最先端技術の進歩は、人々が便利に、快適に過ごせるようになってきている反面、心が無くなってきているとよく言われますが、分かっていながらも人間は一度慣れてしまうとなかなかその快適さから離れられなくなってしまうものです。
もし今、携帯電話が一斉に使えなくなったら、どれだけ不便になるでしょうか? もし今、経済活動を支えているあらゆる機器がストップし、コンピューターや通信網などが使えなくなったらどうなってしまうのでしょうか?日常生活はまだ我慢できる範囲としても、銀行決済機能の停止や、物流システムの混乱など、考え出したら恐ろしいでは済まない状況になることは明らかです。
私のような一般庶民は、そうならない事を願うだけですが、それらのシステムを支えている人達には多種多様な事故・トラブルを想定して危機管理をしてほしいものです。
 しかし、人間というのは野生動物のように「第6感」で危険察知が出来なくなっているようで、自然災害や人的災害等すべてにおいて機械に頼っている状況です。
 そんな人間は、地球上で一番弱い生き物なのかもしれません・・・。