ワールドカップ

 世界がワールドカップ一色となり、世界人口63億1300万人が見守る中、いよいよ明日決勝戦が行われようとしています。今、この原稿を書いている時点では、どの国のチームが決勝へ進んだかわかりませんが、優勝候補のチームが数多く敗退している中、予想外の決勝戦となっていることでしょう。
 新聞によりますとブラジルでは、試合時間が深夜から早朝にかけて行われる為、役所や職場では、午前半休が当然のこととして行われているようです。そんな中、私たち「日本人」は世界のサッカー強豪国とは違い、仕事に、勉強に、家事にと全く今までと同様の日常の生活をきっちりとこなしています。
当然のことながら、サッカーに対するそれぞれの国の国民の認識や、生活への浸透の具合が違う為、どちらがいいのか?は別問題としてとらえるとして、集団でサッカー観戦をしているところを映し出すテレビ画面を見て確信したことが一つありました。
 それは「日本人の大人」が、世間一般で言う「いまどきの日本人の若者」を評価するときの表現で「やる気がない」「長続きしない」「すぐキレる」というのはやっぱり、今の時代を創り上げた「日本人の大人」の責任なんだなと。
 J リーグが発足した当時、日本ではサッカー熱が高まりましたが、すぐにその熱は収まりました。それから数年経ち、日本・韓国でワールドカップが開催されることになり、それまで全く興味のなかった「日本人の大人」までもが興味を示し、今まで「やる気がない」と言われた若者が、日本チームの勝利で渋谷のスクランブル交差点で見知らぬ人と喜び合ったり又、調子のいい元気な若者が道頓堀川へ飛び込む・・などと、とても「やる気がない」若者の行動ではありませんでした。
 やはりそれは、この「若者」を育てた家庭や社会が、「やる気の出る」環境を作っていなかったからです。人は誰しも「熱中できるもの」を心のどこかで探しているはずです。それは「若者」だけでなく、「日本人の大人」も心の中ではそう思っているはずです。その環境を創りあげることが、若者に対してだけでなく、この不況の「日本」を立ち直らせる大きな力になる・・・と再認識したワールドカップ観戦でした。 このコラムでは、これからも私の身近に起こった出来事や感想、皆様からの御意見・御希望等を定期的に掲載し、伊賀地区にお住まいの皆様と私共のささやかなコミュニケーションを育ませていただければと思っております。
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