上司

 つい先日、知人と話をしている時、その知人が「一生懸命仕事をやっているのに、上司はそれを認めてくれない」と不満をもらしていました。その知人は「あんなことも・・・、こんなことも・・・、自分のできる範囲でこれくらいやっているのになんであんな言い方しかでけへんねんやろう?」と。
 この問題、人と人の関係の中で、身近によくあることだと思いますが、お互いにとって気分のいいものではありません。
話を聞いているうちにわかってきた内容は、どうやら「上司は、知人のできる範囲内で仕事を一生懸命やっているのは認めるが、その上司が求めることをやっていない」という感じでした。この場合ですと、知人は認められた部分があるのでまだ良い方ですが、全く認められない場合も多く、そんな場合はやる気が失せてしまうでしょう。
 しかし、自分がいくら一生懸命やっていても人は基本的に自分勝手な(自分の目線で物事を捉える)思考の生き物ですから、物事を依頼した者や、上司の立場からすれば、求めていたものや、期待しているものと違った結果が出たら、やってもらってないのと一緒と考えるのは当然です。
そう考えると、極端な表現をすれば、一生懸命やっていなくても、相手の求めている結果が出たら「よくやった」「お前は良く頑張った」となり、相手の求めている結果が出なかったら、「ダメじゃん!」となり、結局は「自分自身がどれだけ頑張ったか」ではなく、「どれだけ期待に応えられたか」がその場面では重要な事ではなかったのでしょうか。そのあたりの考え方の違いが前述の不満に現れたのだと思います。この事は、会社の中だけでなく、日常生活の中でも問題になり得る事柄です。
 会社でよく仕事をこなす男性の多くは、家庭から非好意的に思われることが多いのですが、それは「俺がバリバリ仕事しているのは、現在、そして将来的に家庭を安定させる為だから、少々我慢しろ」的な考えですが、その目的である安定した「家庭の人」たちは「多少お金で苦労しても、もっと家庭にいて触れ合う時間が欲しい」と思っているかもしれませんし、逆に「自分はバリバリやってるつもりかもしれないが、もっとバリバリ仕事してもっと稼いで欲しい」と思っているかも知れません。 こんなことを書いてはいますが、「じゃー、お前はできてるのか?」とは言わないでください。人には言えても自分では中々できません・・・・・。