全国トップレベルのクラブ

 先日、運動部が全国トップレベルの学校へお子さんを通わせておられる親御さんと話す機会がありました。私も学生時代には野球をしていまして、それなりに結構厳しい上下関係や運動量をこなしてきたのですが、その親御さんのお話を聞いて全国トップを目指すクラブと、田舎でそれなりにやっているクラブとの比較というにもおこがましいほどの歴然とした差を感じずにはおられませんでした。私が過ごした田舎のクラブでも、それこそ今では体罰だとかイジメだとか言われるような出来事は当たり前のように存在し、それを下級生だった頃は当然のように受け入れ、また自分が上級生になった時には同じような仕打ちを下級生にしていた記憶があります。現在では当時私が受けた、また行ったようなことをすれば、すぐに出場停止だとか謹慎だとかの社会問題になると思っていましたが、その全国トップレベルのクラブでは、当時の私からしても想像をはるかに超える「しごきや規則」が未だに存在し、またその事を親御さんも知っているにも係らず全く問題になっていません。
 この事を誤解を承知で私なりの解釈を申し上げますと、私のような中途半端な志や目標を設定した者が自分の常識を超えた「しごき」に遭ったとき、その環境や組織を非難する思考や行動に出ることでその現実から逃避しようとするのに対し、全国トップを真剣に目指す子供達はこの辛い状況から逃げ出すことより、この試練をやり遂げることのほうが自分にとって遥かにプラスだと心から思っているのでしょう。その為親御さんは、本人が根を上げない限り本当に言葉通り「歯を食いしばって」じっと見守っておられるのだと思います。
 ある世界で頂点の子供を育てるというのは、子供達の高い意志の継続は勿論、親が子供以上に耐え忍ぶ必要があるんだと、心から感じずにおられませんでした・・・。