黙っていられる関係

 よくカップルや夫婦がお店などで何も話さず黙々と食事をしている場面や電車の車内で寝るでもなくただ黙って双方がじっと前を見つめている光景などを見かけると、何かしら冷めた関係に見えたりします。男性よりも女性のほうが比較的お話好きの方が多いように思えますので、その女性も何も話さないというのはどうしてもそう見えてしまいがちです。そんなことを考えていたある日私はふとしたことに気づきました。それは、車の車内や電車の座席、待合室や応接室などある程度の時間その場にいなければならない状況の中で、あまり気心の知れていない知人や、取引先の方、逆にあまりにも近いがそんなに話をしない親や兄弟などと一緒にいるときに、何を話していいかわからない中で話題が尽き、無言の時間だけが流れて結構気まずい雰囲気になったことなどです。気心の知れない知人や取引先の方はまだわかりますが、これは私だけかもしれませんが親や兄弟と一緒の時も結構気持ち悪い空間になったりします。なのに夫婦というのは、例えば遠出する車の中で2時間くらい黙ったままの状態でも、家でソファに座って黙ってTVを何時間も見ているとき、その状況に何も感じず何も思わない事に「気付きもしていない事につい先日気付き」ました。これは瞬間的にある時私が見ていた他人の夫婦やカップルの状況と同じです。しかし、常に黙ってばかりなのかと言いますとそうではなく、話をするときにはちゃんと話をしていますので、黙って一緒にいていられる関係というのは、常に話をしていなければならない関係などよりも、遥かに信頼関係が構築されていると言えるのではないでしょうか。
 そんなもっともらしいことを言っていますが、決して夫婦間で話をしなくても良い様に思っている訳ではありませんので・・・。